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構造計算書の偽造が社会問題化し、耐震強度の問題はマンションやホテルだけでなく一般の戸建住宅にも及んできており、そのことは我々建築士に対する一般ユーザーからの信頼そのものが揺らいでいるということに他ならない。
ユーザーにとっては、何が安全で何が危険であるのかもわからず、また、いったい誰を信用して良いのかさえも全くわからないままに、不安感だけが増大している。
官民をあげてこういった違反建築を早急になくすための取り組みが必要であることは論を待たないが、こういう時代であるからこそ我々としては、建築物の安全を追求し、安心の提供を第一に考えていくという基本姿勢が必要であることを再認識しなければならない。
また、我々(社)大阪建築士事務所協会がユーザーから真に信頼される存在となるためにも、具体的な行動として、「既存不適格建築物」の耐震化に真剣に取り組むべきであろう。
現在、全国で新耐震基準を満たしていない住宅は推計で約1,150万戸あるといわれており、東海・東南海・南海地震などの大規模な地震の発生確率が高まっている中、こうした住宅の耐震診断や補強は我々にとって最優先で取り組むべき課題であると言える。
耐震改修の促進については、国土交通省の施策の中でも最重要項目として取り扱われており、この1月からは「改正耐震改修促進法」を施行し、今年(平成18年)を「耐震改修元年」と位置づけるとともに、耐震改修関連の補助事業に対する大幅な予算の拡充や、耐震改修促進のための優遇税制などの措置も決定している。
しかし、一般ユーザーが耐震改修の必要性に関してたとえ理解していたとしても、
「誰に相談すれば良いのかわからない」
「診断や補強方法が適切かどうかわからない」
「補強の結果得られる効果がわからない」
「補強の費用が適切かどうかわからない」
などといった疑問や不安の声があることも事実であり、こうした行政の資金的な支援だけではなかなか思うように改修が進まないであろうことは想像に難くない。 
そのため国では、ユーザー自身の耐震に対する意識啓発から取り組むことが重要であるとし、地域に根ざした耐震化運動などを推進させることを目的に、2005年の特別国会で「耐震改修促進法」を成立させた。
 これにより、耐震改修に関心を持ったとしても、診断・補強方法やそのための費用の適否がわからないユーザーに対し、国はその不安を取り除くための施策を進める方針である。
 ユーザー対策の基本的な方向性として、
@ わかりやすい情報提供の実施
A 地域で相談・チェックする方法の確立
B 地方自治体、特に市町村などが対策に乗り出すこと
C 過度の営業など過剰な商業主義の排除
D 基礎的な性能部分についての公的認定制度の活用
などが挙げられている。
具体的には、市町村レベルでの相談窓口を設置し、専門家の紹介など総合的な対応ができるような体制を、地域ごとにつくり上げていくことを目標としている。
また、第三者による耐震手法の評価システムも地域ごとに構築することを目指しており、そのイメージとしては、地元の建築士などの専門家が参加する官民一体の推進協議会をつくり、そこで適正に工事内容などを評価するしくみを構築していくという内容である。
 こういった一連の国の動きに対し、我々(社)大阪建築士事務所協会・リニューアル部会としては、地元の専門家として、その地域の住環境を向上させるという視点に立ち、行政とも協力しあいながら率先して耐震診断及び耐震改修事業を推進すべきである。
最後に、地震国日本の住宅耐震技術を世界各地で頻発する大震災復興に貢献できることも検討を始めていきたい。

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