近年、悪質リフォーム業者の暗躍には目を覆うものがあり、単なる一業者の職業倫理観の欠如であると座視すべき次元を逸脱しており、建築業界は勿論のことわが協会も一体となって対応を考えなければならない社会的問題である。 一方、阪神・淡路大震災の直後平成7年12月に「耐震改修促進法」が施行されたが所期の目的が達成されず、今年(平成18年)1月より補助金制度の強化や税制優遇制度等を盛り込んだ「改正耐震改修促進法」が施行されるに至っている。 建築物の安全性のチェックや維持管理については、一般市民のみならず我々建築設計者にも意識の希薄さがあることは明白である。 特に戸建て住宅や個人所有の比較的規模の小さい建物については、その必要性や不安を抱きながらも、誰に相談すればよいかわからない、改修にいくら掛かるか心配だ、等々の理由からそのまま放置されているのが現状であり、これに拍車を掛けているのが少子、老齢化社会であり、冒頭に述べた悪質リフォーム業者による不信感ではないだろうか。 ここに、リニューアル部会は、建築士事務所の培った専門家としての知見を広く社会に投じ、建築物の安全性・機能性等の総合的評価と適正な工事を実施することによって、所有者の要望に応えると共に良質な建築ストックと良好な建築空間を再生させることを主目的と定め、一方では会員の業務範囲を拡大させていこうとした部会発足当初の意義を再確認すべきであると考える。 特に消費者保護やユーザーの安心感の見地から、地域に根ざして業務を営んでいる優良施工店を発掘して、わが協会の基本精神のもと、相互に有効な情報交換や研鑽を重ねつつ良好なネットワーク体制を構築すべきであると考える。 この制度は、建築士事務所が地域に門戸を開く第一歩であり、またこの制度の迅速かつ円滑な実施が一般市民、地域行政庁にとって真に有用であることは勿論のこと(社)大阪建築士事務所協会の存在を世に問うものであると信ずる。